月齢早見盤を作ろう!

『月齢早見盤』って、聞いたこと、ありますか?

図1 月齢早見盤

図1 月齢早見盤
これはCGです。本物はこんなに浮きません

皆さんご存知の『星座早見盤』は、日付、時刻を合わせれば、その時の星空の様子を表示してくれますね。『月齢早見盤』は、『星座早見盤』ほどポピュラーではありませんが、同じように月齢を調べたい年月日を合わせれば、たちどころにその日の月齢がわかってしまうという優れものです。

『月齢早見盤』って、どんな風になっているの? という方、図1をどうぞ。 これは山上企画お手製で、なんだかぱっとしませんが、一応使えるものです。 これでもいいから欲しいな、という方は、このページの最後からダウンロードできます。 もっときれいなものは、大きな科学館などに行くと売っていると思います。

月齢早見盤にはいろいろな形があるようですが、ポピュラーなのが図1のようなものです。日付と各月を示す板と、それの上に重なる、月が丸く描かれている月齢を表す板の2枚で構成されています。図1でいうと、赤い数字が書いてある丸い板と、その外側とが、それぞれ別の板になっているわけです。内側の、月齢が書かれている板は丸く切り取られ、クルクル回るようになっています。

図1の赤い数字は、月齢を求めたい「年」を表します。同じように青い数字が求めたい「月」 そして、一番外側の黒い数字が求めたい「日」を表しています。

図2 月齢早見盤の構成・使い方

図2 月齢早見盤の構成・使い方

図2では、2008年9月26日の月齢を求めようとしています。

まず、調べたい年、赤い数字と、調べたい月、青い数字を、内側の盤を回してあわせます。今回の場合は2008年9月ですから、赤い数字の「’08」を、青い数字の「9」にあわせます。
そのまま、一番外側の「26」を見て、「26」と中心とを結んだ線のうえにある月の形、その内側の「25」が、2008年9月26日の月の形と月齢です。月齢25だと、明け方に見える三日月型の月です。

さて、この日の実際の月齢を調べてみると「26.7」 なんだ、あってないじゃん、と思った方。実はこの年は、「うるう年」なのです。 うるう年は2月が29日までありますから、それ以降、3月から12月までは、1日進めて月齢を求めなければなりません。

この場合は、26に1を加えて、27のところを見てみると、月齢は「26」 ほら、きちんと求まりました。

月齢早見盤は、

  1. 月齢を求めたい「年」と「月」を、上の板を回して合わせ
  2. 求めたい「日」の月の形を見る

という、2ステップで簡単に使うことができます。

いかがでしょうか。月齢早見盤があれば、いつでも月齢を調べることができます。 月齢が分かって何が便利か、ということはさておき(笑) 月齢早見盤って便利でしょう? ほしくなってきませんか?(笑)

今すぐほしい人は、このページの最後に山上企画謹製のものがあります。でも、その前に、月齢早見盤を使うと、どうして月齢が求まるのか、についてお話しましょう。このサイトの文章を読んだ方ならお分かりでしょうが、山上は説教好きなんですよ(笑)

月齢早見盤のしくみ

以前、月食の話の中の「メトン周期」のところで、 月の満ち欠けの周期の約29.5日と、1年の長さ約365日が、 19年でほとんど同じになる(あまりは2時間程度)ことから、 月齢は、19年周期でほぼ同じになること、この周期をうまく使って、 旧暦が作られていたこともお話しました。

つまり、19年分の月齢の表(全部で6935日分!)を作れば、 それ以降何十年かは、その表を調べることで、月齢が分かるわけです。

図3 月齢一覧表

図3 月齢一覧表
見えているのは、たったの1年半分です

けれども、いくら何十年か先までの月齢が分かるとはいえ、さすがに6935日分の表を作るのは大変です(図3) もう少しどうにかならないでしょうか。ここでもう一工夫。

月齢は、1日で1増えます。それは、そう定義したから。 新月のタイミングを月齢0とし、1日たつことに月齢も1足していきます。 前の新月から29.5を過ぎたところで次の新月が来ますから、 それよりも大きくなったところで29.5を引けば、次の新月からの月齢計算が続けてできるわけです。 なので、ある基準の日の月齢が分かれば、その日から過ぎた日数を足すことによって、 6935日もある大きな表を作らなくても、月齢を求めることができそうです。

基準の日をどこにするか、ということですが、やっぱり1月1日、各年の最初の日にするのが無難でしょう。 また、1年を基準にしても、普通のカレンダーは1ヶ月ことに区切られていますから、1月1日からの日数を計算するのも結構面倒です。7月14日は、1月1日から何日目? と聞かれて、すぐに答えられる人はそういないはずです。 そういった、面倒な計算をしなくても任意の日の月齢を求められるように作られたのが『月齢早見盤』というわけです。

表1・各年の1月1日の月齢
月齢
2006 1.4
2007 11.9
2008 22.8
2009 5.0
2010 16.0
2011 26.8
2012 7.7
2013 19.1
2014 0.0
2015 10.4
2016 21.1
2017 3.2
2018 14.2
2019 25.2
2020 6.3
2021 17.8
2022 28.2
2023 9.1
2024 19.5
表2・各月1日の月齢との差分
月齢との差分
1 0.0
2 1.5
3 0.0
4 1.5
5 2.0
6 3.5
7 4.0
8 5.5
9 7.0
10 7.5
11 9.0
12 9.5


上の2つの表は、今回、山上企画で月齢早見盤を作ったときに使った、月齢の関係を表す表です。

表1は、2006年から19年間の1月1日21時の月齢を表しています。 各年の1月1日21時には、この月齢というわけです。 今年が2014年なら1月1日が月齢0で、大変美しいんですが(笑)ちょっと残念。

表2は、ちょっと分かりづらい表、毎年の1月1日21時の月齢と、各月1日21時のものとのずれを表しています。 月の満ち欠けの周期は、約29.5日。1ヶ月は31日か30日、2月だけ28日か29日ですね。 1月は最初なので0として、2月1日21時の月齢は、1月の日数「31日」から、満ち欠けの周期「29.5日」で割った余り「1.5日」分進んで始まります。2月1日21時の月齢は、1月1日に比べ、1.5日分ずれているわけです。

同様に、3月は、1月と2月の日数、31+28を29.5で割った余り「0」 3月は1月1日と同じ月齢になるんですね。4月は、1月から3月までの日数31+28+31を29.5で割った余り「1.5」 1月1日の月齢に比べて1.5のずれ・・・と、12月まで求めます。

1月1日からの経過日数を計算するのが面倒くさいので、各月1日、各月の始まりの日の21時の月齢を、1月1日21時の月齢とのずれとして、あらかじめ計算しておくわけです。表1の月齢に、表2の数値を足してあげれば、各月1日21時の月齢が求まります。たとえば、2007年6月1日は、表1から11.9、表2から3.5、計算すると11.9+3.5=15.4となります。

ここまで求まったら、あとは日付を足してあげれば、ある日の21時の月齢が求まる、というわけです。2007年6月19日は、上の計算から15.4に19日を足して34.4、29.5を超えているので29.5を引いて、4.9。実際の月齢は4.4。いかがでしょうか。

2005年以前、2025年以降も、それぞれ対応する年を使えば、同じように計算ができます。それがメトン周期だからですね。2005年は2024年のところ、2025年は2006年のところを使えばOK。

ただし、100年以上も過去や未来では、メトン周期の誤差や計算の誤差が大きくなりますので、使えなくなります。でも慌てないで、そのときは100年前、100年後の表1を、どうにか入手してください(笑)

月齢早見盤キット

上のしくみを円盤状にしたのが、ここでダウンロードできる月齢早見盤です。 他にも、定規のようなものでも作れそうですし、工作が苦手な人は、上の2つの表を使っても月齢計算ができます。
みなさんも、いろいろと工夫して月齢早見盤を作ってみてください。 夏休みの宿題にうってつけかもしれませんね(笑)

ダウンロード
月齢早見盤キット JPEG形式の画像ファイルです。右クリックのメニューから保存してください
工作時間:
10分程度。簡単なので、ぜひ作ってみてください
準備するもの:
プリンタ、A4用紙1枚、はさみ、割りピンなど、紙を留めておけるもの
作り方
  1. 上のリンクをクリックして画像を表示させ、プリンタで印刷してください。
    画像保存して他のアプリケーションから印刷していただいても結構です。

  2. しっかりしたものが作りたい場合は、厚紙などに貼り付けてください。
  3. 月齢盤と地平線バーを、黒い線にあわせ切り取ります。
  4. 切り取った月齢盤、地平線バーを、日付盤の内側の丸にあわせて重ね、中心を割りピンなどで留めれば完成。
  5. 地平線バーを、アクリルなどの透明な板で作ると、中心の地球も見ることができます。ぜひ改造してください
使い方
  1. 月齢を求めたい「年」と「月」を、上の板を回して合わせます。
  2. 求めたい「日」のところの月の形、その内側の数字がその日の月齢です。
  3. 地平線バーを回し、中心の「夕方」「朝方」などの文字から、そのつきがいつ見えるのか、いつごろ沈むのかなどがわかります
注意!
  • うるう年の3月から12月は、求めたい日の次の日にちのところで調べます。2月29日に、月齢が1日進んでしまうからです
  • この月齢早見盤は、だいたいの月齢が求まるものです。精度は、1~2日くらい。新聞などにあるもののように正確には求まりません。使用するときには、注意してください
  • そんなことする人はまずいないと思いますが、この月齢早見盤を無断でそのままの形で複製、出版、アップロード、掲示、伝送、配布などはしないでください。もし、複製や配布など前記のことを希望される方がいらっしゃいましたら、問い合わせフォームにてお知らせください
  • 山上企画は、工作中の怪我、月齢早見盤を使っていての事故など、この月齢早見盤の工作、使用したことから生じる損害に関する責任は負いません。注意して工作してください。

山上企画オリジナルな点など

図4 月齢早見盤と地平線バー

図4 月齢早見盤と地平線バー
これはCGです。本物はこんなに浮きません

地平線バーについて

ある日の月齢を求めたとき、その月がいつ、どのあたりに見えるのかを示すのが『地平線バー』です。『地平線バー』には、『東』『南』『西』と、方位が描かれています。 求めた月がいつごろ昇ってくるか、いつごろ沈むのか、南に見えるのはいつごろかを調べることができます。

また、ある時間帯に月はどのあたりに見えるのか、月齢と見える時間帯・方位の関係を調べることもできます。

地球と月の関係について

この月齢早見盤には、太陽と地球、その周りを回っている月の図、その近くには、「夕方」「朝方」「昼頃」「夜中」という文字も描いてあります。

この図から、月は、太陽から離れるほど丸く見え、太陽に近づくと細くなる、ということや、月齢早見と地平線バーも組み合わせることによって、月の形が同じなら、季節に関係なく、同じ時間帯に空の同じ場所に見える、ということなどを読み取ることができます。ちょっとした天文学習にどうぞ。

このコンテンツは、2006年6月に公開したものを再構成したものです。月齢早見のデータは2006年から始まっていますが、中で紹介している通り、2025年以降も利用することができます