おとめ座

春の空に横たわる乙女。農業と正義、二役の女神様の姿。

おとめ星図

おとめ座

名称星座名おとめ
略号Vir
学名Virgo
所有格Virginis
英語名the Maiden
設定者プトレマイオス
概略位置赤径13h20m
赤緯-2°
面積1294
季節
南中6月上旬
星数1等1
2等0
3等4
4等7
5等34
6等90
変光星339
データ出典:
 星座名・概略位置・星数:天文年鑑2009
 名称(星座名を除く):IAU Webサイト
おとめ座は、全天で2番目の広さを持つ星座です。1番はうみへび座、3番はおおぐま座なので、みんな春の星座。ちなみに4番目はくじら座、5番目はヘルクレス座、6番目はエリダヌス座、天の川から離れたところに多い傾向があります。天の川から離れると、見える星の数が少なくなりますから、星座を作るには広い範囲の星をつなぐ必要があるからでしょうか。

おとめ座は星占いの星座のひとつ、現在の秋分点があるところですが、大きいわりに乙女の姿を描くのは難しい。彼女が左手に持つ麦の穂のところにあるのが1等星スピカ。そのまま「麦の穂」という意味。とがったもの、という意味もあるそうで、麦の穂の先はとがっていますし、スパイクシューズのスパイクも、同じ語源だそう。白く輝くスピカ、日本では「しんじゅぼし」と読んでいたそうです。春の真珠星、きれいな名前です。

スピカから、西に向ってθ、γ、η、βとつなぐとおとめの身体。γから、δ、εとつなぐと右腕。その先ζは、乙女が右手に持つ羽ペンです。プラネタリウムでおとめ座の探し方を紹介するときは、スピカから西に星をつないでβまで、途中γからεへと伸ばして、アルファベットの「y」を描くように、とお話していました。

右手に羽ペン、左手に麦の穂を持つこのおとめ、ギリシャ神話では、正義の女神アストレイアと、農業の女神の姿に見ます。大昔は、人も神も地上で平和に暮らしていたのですが、時代が下るにつれて人間に悪い知恵がつき始め、神々は次第に天へ帰っていきます。正義を司る女神アストレイアは最後まで人間に正義を説きますが、人間が互いに憎みあい、親兄弟同士でまで争うになって、ついにあきらめ、天へ戻っていったといいます。

もうひとつは、農業の女神デーメテールとも、その娘ペルセポネとも言われます。デーメテールは農業の女神というよりも「地母神」として見られ、その名前「デーメテール」自体が「Ge(大地)」+「meter(母)」の合成で、作物だけでなく、大地からあらわれるものすべてはこの女神の恵みと考えられていたようです。そのデーメテールには、ペルセポネという娘がありましたが、死者の国の王ハデスにみそめられ、死者の国へと連れ去られてしまいます。デーメテールは娘を探しまわり、地上は冬のように荒れ果ててしまいました。
その様子を見て、ゼウスはハデスを説き、ペルセポネをデーメテールの元へ戻させます。その時、ハデスは石榴の実をペルセポネに与え、死者の国の食物を口にした者は死者の国で暮らさねばならないという掟のとおり、1年のうち4分の1、ペルセポネを死者の国で暮らすようにしました。ペルセポネのいない3ヶ月間が冬、というわけです。

おとめ座にも、美しい二重星があります。γ・ポリマです。白い星が寄り添っている様子が見られるのですが、離角が小さいので、小さい望遠鏡ではなかなか見ることができない星です。

銀河団

おとめ座は、天の川から離れた場所にあります。すぐ北のかみのけ座は、天の川銀河の北極があるところ、天の川の星が少ないので、その外側、遠くの銀河がたくさん見られるところです。右の星図は、メシエカタログの天体だけ記載していますが、それでも乙女の顔の横にたくさんの銀河が集まっているのが分かります。これらの銀河の集まりは、「おとめ座銀河団」と呼ばれ、天の川銀河からは6500万光年ほど、一番近い銀河団です。メシエカタログは、小さな望遠鏡でも見つけることができる天体が多く、これらの銀河団の銀河たちも、空の暗いところであれば、小さめの望遠鏡でも見つけることができます。
恐竜が滅んだ頃に向こうを出た光、ぜひ一度、眺めてみてください。

恒星データ

Hipparcos
番号
バイ
エル
符号
赤径赤緯固有名
カタログ名
意味アルマゲスト名実視
等級
絶対
等級
スペクトル距離
(光年)
65474α Vir13h25.2m-11°10’スピカ穀物の穂右手の端にあるスピカと呼ばれる星0.98-3.55B1V262
57757β Vir11h50.7m01°46’サヴィヤヴァ犬小屋左で南にある翼の端の星3.593.40F8V35.5
61941γ Vir12h41.7m-1°27’ポリマ予言と出産のニンフの名それ(η)につづく星2.742.38F0V+...38.6
63090δ Vir12h55.6m03°24’ミネラウバ 帯の下にある右脇の星3.39-0.57M3III202
63608ε Vir13h02.2m10°58’ビンデミアトリクスぶどうをつむ女Vendangeuseとよばれるその北星2.850.37G8IIIvar102
66249ζ Vir13h34.7m00°36’ヘゼ 衣服の下でほぼ右尻に近い星3.381.62A3V73.2
60129η Vir12h19.9m00°40’ザニアー(犬小屋の)角左翼にある4星の西星3.89-0.53A2IV250
64238θ Vir13h10.0m-5°32’  4星の東の最後星4.38-1.14A1V415
69701ι Vir14h16.0m-5°60’シルマ引きずる足の前で着物の端にある3星の中央星4.072.42F7V69.7
69427κ Vir14h12.9m-10°16’  その(ι)南星4.180.00K3III223
69974λ Vir14h19.1m-13°22’  南の左足の端にある星4.520.73A1V187
71957μ Vir14h43.1m-5°39’リジルアルアウワ 北の右足の端にある星3.872.51F2III60.9
57380ν Vir11h45.9m06°32’  頭の上にある2星の南星4.04-0.87M0III313
58948ο Vir12h05.2m08°44’  それ(ξ)につづく額にある2星の北星4.120.52G8III171
68520τ Vir14h01.6m01°33’   4.230.10A3V218
データ出典: バイエル符号・等級・スペクトル・距離 Hipparcos 星表  絶対等級・独自計算  固有名・意味 星座の神話  アルマゲスト名 アルマゲスト