いて座

ケンタウルス族の賢者、ケイロンの姿。

いて星図

いて座

名称星座名いて
略号Sgr
学名Sagittarius
所有格Sagittarii
英語名the Archer
設定者プトレマイオス
概略位置赤径19h0m
赤緯-25°
面積867
季節
南中9月上旬
星数1等0
2等2
3等8
4等10
5等44
6等130
変光星5561
データ出典:
 星座名・概略位置・星数:天文年鑑2009
 名称(星座名を除く):IAU Webサイト
ケンタウルス族は乱暴者が多い、という言い伝えがあります。北方の騎馬民族に攻められていたバビロニアやメソポタミアでは、馬に乗る文化はなかったそうで、馬に乗って攻めてくる騎馬民族が恐ろしかったことでしょう。馬と人が融合したモンスターを想像したようです。それがケンタウルスの元でしょうか。

そんなケンタウルス族にも、賢者がいるのです。いて座のモデルのケイロンは、文武に長けた人だそうで、ヘルクレスへびつかい座のアスクレピオスの師匠でもあります。

いて座は天の川銀河の中心方向、天の川が明るく広く流れています。夏の空は、天の川が南北にかかりますが、空の高いところから滝のように流れ落ちてきた天の川が、地平線に落ちてしぶきをあげているような、そんな様子にも見えます。

星をつないでケンタウルス族の姿を見るのは、なかなか難しい。天の川の濃いところには、縦にジグザグに並んだ5つの星があります。μ、λ、δ、ε、ηがそれですが、これが射手の弓。その左となりにゆがんだ四角形ができますが、これがケイロンの腕から肩。σ、τ、ζのあたり。

その東側の暗い星をつないで身体を作りますが、正直、無理矢理感が否めません。
それよりもむしろ、小さな「ひしゃく」を6つの星で描いたほうが分かりやすいかも、それよりも「ティーポット」を描いたほうがさらに分かりやすいかもしれません。

「ひしゃく」の星といえば「北斗七星」ですが、こちらは南の空の6つの星、「南斗六星」と呼ばれます。ζから、τ、σ、φ、λ、μとつないでひしゃくに見立てます。北斗七星に比べれば小さく暗い星も多いので、いまひとつ見栄えがしませんが、この二つは対になるもの。中国の伝説では、北斗は死神、南斗は寿命の神なのだそう。そんなところから、北枕は縁起が悪いと言われるようになったとか。

「ティーポット」は、海外から輸入された見方で、ζからτ、σ、φの四角形がポットの持ち手、φ、λ、δの三角がポットのふた、δ、ε、γの三角をポットの注ぎ口と見ます。実際の空で見るとこのポット、意外と見つけやすく「もうポット座にしか見えない」という人もいます。

皆さんには、何に見えますか?

星雲星団の宝庫

いて座には、たくさんの星雲、星団があります。有名なのは、散光星雲のM8・干潟星雲、M20・三裂星雲、散開星団のM23、M25、球状星団のM22など。都会の空でも楽しめるのは散開星団でしょうか。ふたつとも、双眼鏡で星が集まっている様子を見ることができます。天の川のなかで星が多いところですから、とても美しい眺めです。
空のきれいなところでは、散光星雲M8、M20もおすすめ。特にM8は、双眼鏡を使えば都会の空でもぼおっとしたしみのような姿を見ることができます。
望遠鏡があれば、球状星団M22もよい観察対象です。空が暗いと目でも星のように見えるM22、望遠鏡で見ると、星がまさに球状に集まっているのが分かります。

恒星データ

Hipparcos
番号
バイ
エル
符号
赤径赤緯固有名
カタログ名
意味アルマゲスト名実視
等級
絶対
等級
スペクトル距離
(光年)
89341μ Sgr18h13.8m-21°04’  両者の間でこの端にある星3.84 B2III: > 3300
90496λ Sgr18h28.0m-25°25’カウスボレアリス弓の北の部分この部分(ε)と北の部分との間にある南星2.820.95K1IIIb77.3
89931δ Sgr18h21.0m-29°50’カウスメディア弓の中央部左手の手頸にある星2.72-2.14K3III306
90185ε Sgr18h24.2m-34°23’カウスアウストラリス弓の南の部分射手の南の部分の星1.79-1.44B9.5III145
89642η Sgr18h17.6m-36°46’  前の右足頸の星3.10-0.20M2III149
88635γ Sgr18h05.8m-30°25’アルナスル矢の先端矢の先にある星2.980.63K0III96.1
92041φ Sgr18h45.7m-26°59’  矢の上でこれの西にある星3.17-1.08B8.5III231
92855σ Sgr18h55.3m-26°18’ヌンキ海の始まるしるし右肩にある星2.05-2.14B2.5V224
93864τ Sgr19h06.9m-27°40’  肩押骨にある中央星3.320.48K1/K2III120
93506ζ Sgr19h02.6m-29°53’アスケラわきの下腋の下にある最後の星2.600.42A3IV89
95347α Sgr19h23.9m-40°37’ルクバトひざ同じ足の膝の星3.960.38B8V170
95241β Sgr19h22.6m-44°28’アルカブプリオル前のアキレス腱前の左足頸の星3.96-1.36B9V378
データ出典: バイエル符号・等級・スペクトル・距離 Hipparcos 星表  絶対等級・独自計算  固有名・意味 星座の神話  アルマゲスト名 アルマゲスト

いて座の星の名前は身体や弓など、星座の場所を表すものが多いですが、ヌンキは「海の始まるしるし」という意味で、ちょっと異質です。ここから先の空を海に見て、秋の水の星座の始まりとしたのです。