いっかくじゅう座

いっかくじゅう座は、冬の大三角の中、天の川にひっそりと隠れている星座です。

いっかくじゅう星図

いっかくじゅう座

名称星座名いっかくじゅう
略号Mon
学名Monoceros
所有格Monocerotis
英語名the Unicorn
設定者バルチウス
概略位置赤径7h0m
赤緯-3°
面積482
季節
南中3月上旬
星数1等0
2等0
3等0
4等6
5等29
6等100
変光星872
データ出典:
 星座名・概略位置・星数:天文年鑑2009
 名称(星座名を除く):IAU Webサイト
漢字で書けば「一角獣」 夢に出てくると幸せになるというユニコーンのこと、暗い星ばかりの星座ですから、見つけることができたら幸せになれる、のかもしれません。

このあたりは冬の天の川の中ですが、銀河中心とは逆の方向で明るい星がなく、隣がやたらと派手なオリオン座ということもあって、ますます何もないところに見えます。β、γが前足、εがユニコーンの鼻、δが肩、αがおなか、ζが腰という星の並びですが、全部4等星、都会でその姿を描くのは難しいでしょう。

ばら星雲

星座としては地味ないっかくじゅう座、けれどもオリオンの星たちが今も新しくできてきているように、ここにも星の元となる散光星雲や、できたばかりの星の集団、散開星団がぽつぽつと存在しています。

http://apod.nasa.gov/apod/ap080214.html

ばら星雲
Astronomy picture of the dayより

散光星雲で有名なのは「ばら星雲」でしょう。赤く広がるガスがばらの花のようになっている写真を見たことがある方も多いと思います。オリオン座のベテルギウスと、こいぬ座プロキオンの中間、天の川の中にあります。

私たちの天の川の中には、星間ガスとチリが大量にあります。ほとんどが暗黒星雲で、普通は見ることができませんが、その中で星が輝き始めると周りを照らしだし、複雑な構造が見えてきます。ばら星雲もそういった天体の一つです。ばら星雲という名前の通り、花びらのような形に幾重にも重なるガスと、その中心に花粉のように輝く星たちのようすがばらのように見えるところから、この名前がつけられました。

ばらの花の真ん中には、おしべについた花粉のように星がぱらぱらと輝きますが、これらは、まさにばら星雲でできた星。これらの星の光圧で周囲のガスが吹き流され、ちょうど真ん中におしべが入るような空洞ができているのです。ばら星雲のようなガス星雲内では、たくさんの星が今でもできてきています。ばら星雲の中には、グロビュール(胞子)と呼ばれる黒い点が散在していて、星の元になるガスとチリの塊だと考えられています。天文学的な近い将来(数万年~数十万年) 恒星となって輝き始めるでしょう。

ばら星雲は、NGC2237-39=星雲、NGC2244=星団の総称です。星雲部分の見かけの大きさは1度、月の2倍ほどもありますが、水素ガスの出す赤い光は、肉眼では見ることがむずかしいため、望遠鏡でも大変見づらい天体です。中心に輝く星団は、明るい星が多いので、双眼鏡でも見ることができます。

http://apod.nasa.gov/apod/ap030228.html

クリスマスツリー星雲
Astronomy picture of the dayより

天の川につかっているいっかくじゅう座には、このほかにも、ハッブル宇宙望遠鏡の名前親となっているハッブルが発見した「ハッブルの変光星雲」や、見た目が飾り付けられたモミの木のような「クリスマスツリー星雲」など、写真で見ると面白い天体がたくさんあります。


http://apod.nasa.gov/apod/ap991020.html

ハッブルの変光星雲
Astronomy picture of the dayより

ハッブルの変光星雲は、誕生から数十万年というできたばかりの星が周りのガスを照らし出し、まだ安定しないその星の明るさの変化がそのまま周囲のガスを光らすことで、明るさが変化すると考えられています。


V838

http://antwrp.gsfc.nasa.gov/apod/ap091122.html

V838 2004年 HST撮影
Astronomy picture of the dayより

V838は、いっかくじゅう座にある特異変光星です。2002年2月に突然明るく(アウトバースト)なり、その後、また暗くなりましたが、その後、周囲にあるチリが光っているのをハッブル宇宙望遠鏡が観測しました。

左の写真は2004年2月8日に撮影された有名なものですが、V838が以前のアウトバーストで吹き飛ばしたチリが、今回のアウトバーストの光によって照らされて光っています。

その2年後、2006年10月26日には、ずいぶん様子が変わった姿も撮影されています。これは、爆発によってチリが吹き飛ばされて広がっていったのではなく、元々そこにあったチリが、光が進んでいくことで照らされて見えているもの。
地球に向かって来た光は、最初の爆発として観測されましたが、V838の向こう側に進んだ光が、チリに反射して地球に届いているのです。

http://antwrp.gsfc.nasa.gov/apod/ap061103.html

V838 2006年 HST撮影
Astronomy picture of the dayより

少しずつ様子が変化することで、V838の周囲のチリのようすがわかります。写真の幅は14光年あるそうですから、ずいぶんと広い範囲に、チリが分布しているようですね。

いっかくじゅう座には変光星が800個以上発見されています。V838の「V」は「Variable=変光」のV、838はその星座で発見された変光星の番号を表します。変光星の名前は、「R」から始まって、アルファベットを順につけていき、足りなくなったところで数字に切り替えます。V838は、いっかくじゅう座で838番目に発見された星、という訳です。2009年現在で、いっかくじゅう座には872個の変光星が見つかっていますから、つい最近見つかった星だと分かります(発見は2002年1月)


情報ソース:
Space Phenomenon Imitates Art in Universe’s Version of van Gogh Painting
Hubble’s Latest Views of Light Echo from Star V838 Monocerotis

恒星データ

Hipparcos
番号
バイ
エル
符号
赤径赤緯固有名
カタログ名
意味アルマゲスト名実視
等級
絶対
等級
スペクトル距離
(光年)
37447α Mon07h41.2m-9°33’   3.940.71K0III144
30867β Mon06h28.8m-7°02’   3.76-2.87B3Ve691
29651γ Mon06h14.9m-6°16’   3.99-2.49K3III644
34769δ Mon07h11.9m00°30’   4.15-1.15A2V375
30419ε Mon06h23.8m04°36’   4.391.41A5IV128
39863ζ Mon08h08.6m-2°59’   4.36-4.41G2Ib1850
データ出典: バイエル符号・等級・スペクトル・距離 Hipparcos 星表  絶対等級・独自計算  固有名・意味 星座の神話  アルマゲスト名 アルマゲスト