金星

地球のすぐ内側を回っている金星。宵の明星、明けの明星としても有名です。

名前 金星
英語名 Venus
軌道半長径 (天文単位) 0.7233
平均(億km) 1.075
最小(億km) 1.082
最大(億km) 1.089
離心率 0.0068
軌道傾斜 黄道面(°) 3.395
不変面(°) 2.196
近日点黄径(°) 131.564
昇降点黄径(°) 76.651
元期平均近点離角(°) 107.429
作用圏(10万km) 0.62
対恒星平均運動(平均太陽日。″) 5767.67
公転周期(太陽年) 0.61521
平均速度(km/s) 35.02
会合周期(太陽日) 583.9
太陽から受ける輻射量(地球=1) 1.91
地球から平均接近距離での視半径 30.16
赤道半径(km) 6052
扁率 0
赤道重力(地球=1) 0.91
体積(地球=1) 0.857
衛星数/発見数 0/0
質量(地球=1) 0.8150
密度(g/cm^3) 5.24
脱出速度(km/s) 10.36
自転周期(日) 243.02
赤道傾斜角(°) 177.4
反射能 0.78
極大等級 -4.7

惑星データ 理科年表2010より

太陽や月は丸く見えますから「星」という印象はあまりないのではないでしょうか。いわゆる「星」としては、いちばん明るいのがこの金星。夕方か明け方の数時間しか見ることができませんが、その鋭い輝きは金星と分かっていてもびっくりすることもあります。金星は地球の100倍近い濃い大気を持ち、全球が雲に覆われているので太陽の光をよく反射します。そして、惑星の中でいちばん地球に接近しますので、-5等星という明るさで輝くのです。

金星の見え方、見ごろ

非常に明るい金星ですので、見えていればほかの星と間違えることはないでしょう。内惑星の金星は太陽から47度以上離れることはなく、観察するには日の出前か日の入り後となるわけですが、約10カ月おきに朝夕が入れ替わります。

図1 夕方の金星の動き
Stellaer Navigator Ver7で描画後トレース


上の図は、2011年から2019年までの、日の入り時の金星の位置を描いたもの。毎日、日の入り時の金星の位置を記録すると、約10ヶ月でこのような線が1本描けるということです。1日の間に金星がこう動くというわけではありません。8年間で、夕空に見える期間は5回というわけですね。

こうしてみると、夕方に見える金星は毎回同じように動く、というわけではないということが分かります。冬の太陽は南寄りに、夏の太陽は北寄りに沈みますが、太陽の近くにある金星も季節によって見える場所が南北に移動します。さらには金星自身が太陽の周りを回っていますから、図のような、複雑な動きとなるのです。

上の図の範囲が2011年から2019年という、中途半端な期間になっているのに気づかれたでしょうか。実は、夕空の金星の動くパターンは、この5つしかありません。というのも、金星の会合周期583.9日の5回分は2919.5日、地球の公転周期365.25日の8回分が2922日と、ほとんど一致するため、金星は8年周期でほぼ同じ場所に見えるのです。マヤ文明で使っていたという金星を使った暦も、この周期を用いていたのでしょう。

2011年の秋から12年夏にかけて、金星は、5つのうちいちばん見やすいパターンで動いていきます。

図2 2011年8月から2012年6月の金星の見え方

特に2012年3月から4月にかけて最大離角となって、日没時の高度が40度を超え、冬の星座の中に明るく輝きます。近くには木星や、すばる、オリオン座もあり、にぎやかな眺めでしょう。
金星は、太陽から離れた「最大離角」から「最大光度」の頃が見ごろです。

望遠鏡での見え方

金星を望遠鏡で眺めても、表面の模様などは見ることができません。模様の見えない白い月のような姿をしています。そう、金星は月と同じように、満ち欠けをするのです。

図3 金星の満ち欠け
2011年9月から2012年6月にかけて
Stellar Navigator Ver.7にて作成

右の図3は、図2と同じ期間、2011年9月から12年5月までの金星の様子を描いたもの。このように、月と同じように欠けていく様子が見られます。夕空に見え始めてから3ヶ月ほどは丸く見えていますが、徐々に欠けていき、半月から三日月形へと、見える大きさもだんだん大きくなっていきます。金星が地球に近づいてくるにつれて、太陽の光のあたっている部分が見えなくなり、大きさが大きくなっていくのですね。

その後は一気に太陽に接近し内合となり、明け方の空に回りますが、2012年6月6日の内合のときは特別、130年間で2回しか起きない、大変珍しい「太陽面通過」が見られます。