変光星
変光星は、星の明るさ、「光度」が変化する星です。その原因には、星の状態そのものが変化するものと、別の何かに隠されて見えなくなるために光度が変化するもの、の、2種類があります。
変光星には、明るさや変光周期が規則正しく変化するもの、不規則なものがあり、変光の様子も実にさまざまです。新星も、変光星の仲間として扱われます。
「変光星」を文字通りにとらえると、月や惑星も「変光星」ですが、普通そんな呼び方はしません。変光星は、恒星に対しての言葉です。それは当たり前で、不変のものだと思われていた「恒星」の明るさが、時間とともに変化するものがある、という発見から、変光星という名前がつけられたからです。
命名法
変光星の名前は、星座名+「R」から始まります。たとえば、「しし座R」や「Z And」などです。なぜ「R」かというと、すべての星座を通して、バイエル名の最後が「Q」だったから、という、やや消極的な理由。分かりやすいといえば分かりやすい。
ただ、バイエル名のようにR、S、T・・・と続けていくと、すぐにZ、までたどり着いてしまいます。もう使えるアルファベットはない。そこで、
- RからZまで、2文字づつ重ねて使う。2文字目は開始文字からZまで。ZZまできたら、AAに戻り、続ける
- それも使い切った場合、V+数字で表す
- R-Z
- RR, RS, RT・・・RZ
- SS,ST,SU・・・SZ
- TT, TU, TW・・・TZ
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- ZZ
- AA, AB, AC・・・AZ
- BB, BC, BD・・・BZ
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- QQ, QR, QS・・・QZ
- V335, V336, V337・・・
という約束になっています。決して分かりやすい、とはいえませんが、そう決まっているのだから仕方ありません。天文学は歴史が長いので、こういうことが多いですね。等級とか、恒星の固有名やら、星座の境界やら。バイエル名そのものも分かりやすいとはいえませんし。
こればかりは言っても詮無きこと、慣れるしかありません。
この命名法は、天の川銀河の変光星に対して適用されますが、昔つけられてしまった星については、銀河系外の星でもそのままの名前で呼ばれます。
[変光星の観測 P52]