アルタイル
わし座の1等星で夏の大三角の星のひとつ。彦星でもあります。こと座のヴェガ、おりひめ星に比べると、彦星であるアルタイルはちょっと地味な印象。
Hipparcos 番号 | バイ エル 符号 | 赤径 | 赤緯 | 固有名 カタログ名 | 意味 | アルマゲスト名 | 実視 等級 | 絶対 等級 | スペクトル | 距離 (光年) |
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97649 | α Aql | 19h50.8m | 08°52’ | アルタイル | 飛ぶわし | 後頭部にあって鷲とよばれる星 | 0.76 | 2.20 | A7IV-V | 16.8 |
アルタイル概要
アルタイルは、16.7光年と、比較的太陽系に近いところにある星です。1等星では、4番目に太陽系に近く、絶対等級は2.2等星、太陽の約10倍の明るさで、ほかの1等星たちに比べてそう明るいわけではありません。スペクトル型はA7で、白い光はいかにも星らしい。奥さんのおりひめ星・こと座のヴェガは、スペクトル型がA0、絶対等級は0.5等星で、アルタイルよりもさらに白く、明るさも約10倍ほど違います。天帝の娘と普通の青年の育ちの違いが出ているのでしょうか。
この星も、ヴェガと同じように自転速度が毎秒217kmととても速く、赤道方向に膨らんでいる様子が観測されています。それによると、膨らんだ赤道部分よりも、極部分の方が1000度ほども温度が高くなっているようです。
表面温度の高い普通の星は一般的に自転速度が速く、毎秒数百kmに達していると考えられています。太陽は毎秒2km程度ですから、とても高速なのが分かります。温度の高い星でも、巨星では自転速度は遅くなり、赤道部分が膨らむことはないようです。
アルタイルは、現在地球に近づいてきており、14万年後に8.6光年まで接近、-0.7等星まで明るくなるでしょう。そのころには秋の星座、アンドロメダ座のあたりまで移動してしまい、ヴェガとはずいぶんと離れてしまいそうです。