ヒッパルコス
Hipparchus
 生 : BC190年頃 ニカイア(現トルコのイズニク)
 没 : BC120年頃  
 世界最古の星表の製作者であり、三角法、歳差運動の発見者。

 ギリシア最大とも古代最大ともいわれる観測天文学者であった彼は、アレキサンドリアではなくロードス島のビティニアで生涯を過ごした。 彼が星表を作ると志したのは、BC134年にさそり座に現れた新星によってであった。 当時、天の星はすべて見えるものであり~見えない星の存在を誰が知るだろうか~また、星は永久不変であると信じられていた。
 彼は、この星が過去に存在していたのか調べたが、観測記録が整っておらず、結局分からずじまいであった。 この経験から、1000個あまりの明るい星を集めた世界最古の星表、星図を作り出した。 この中で彼は、星の明るさによる分類、緯経度を用いた座標の表現など、現在でも用いられている手法を生み出している。
 この星表を作る過程で、乙女座のスピカの位置が過去の観測とは東にずれているのを発見、観測誤差ではないと指摘し、年間45″という値を求めた。 歳差運動の発見である。これは、現在観測されている年間50″に近く、星表の精度が非常に高いことを物語っている。 また、ヒッパルコスは月の視差を求め、三角法から月までの距離が38万kmであると正しい値を求めたり、複雑になりすぎたアリストテレスの天球体系(全部で56個もの天球がある)を否定し、大きな天球に小さな天球を組み合わせた新しい運動体系を提唱したりした。

 ESA(欧州宇宙局)の打ち上げた天体観測衛星に、ヒッパルコスの名がついている。 この衛星は、全天の恒星の位置、明るさ、固有運動などを観測するためのもので、まさに現在のヒッパルコスである。
データ出典: 科学技術人名事典:アイザックアシモフ